落款のしるしかた 中本白洲
2014年10月04日
[未分類]
犀水千字文に押印されている。
石橋犀水先生愛用の 落款印です。
落款印は『常盤織之助』の作
今回は雅号(がごう)字(あざな)
についてと落款印の説明をします
私たち作品に『落款』を入れるといいますが
落款(らっかん)とは、
落成款識(らくせいかんし)の略語です。
書画の制作時や記名 識語
(揮毫の場所、状況、動機など)
、詩文などを書き付けたもの、
またその行為を言う。
その文を『款記』といい、
その時捺す印章を
『落款印』と言う。
完全な形の落款とは
5要素の条件を書き
入れたものです。
① 何時もにしたか(年月)
② 何處(どこ)でもにしたか(場所)
③ 誰がものしたか(名号)
④ 何故にもにしたか(理由)
⑤ 何をもにしたか(種類) 白文と朱文 印は、
白文を正式 とするしきたりがあります。
印は白文(姓名印)を上にし、朱文(雅号印)
を下します
白文とは
- 文字の部分を彫り込み、
- 印肉をつけて押したときに
- 白く文字が現れます。
- これを白文といい、陰刻。
- 文字を凹状に彫った印。
- 別名姓名印ともいう
- 朱文とは
- 文字と輪郭を残し、他を削ります。
- 印肉をつけて押したときに
- 朱の文字が現れるから朱文といい、
- 文字を凸状に彫った印。
- ○引首印とは:作品の右上に押す。
- 座右の銘や好きな詩句などを彫るのが一般的。関防印ともいう。
他に遊印(ゆういん)がある。
遊印(ゆういん)は、
特定の個人や法人に帰属しない
文字を印文にした印章のことです。
『款記』の仕方
年(年数を表す干支)
十干十二支(じっかんじゅうにし)
甲 こう(木の兄=きのえ)
乙 いつ、おつ(木の弟=きのと)
丙 へい(火の兄=ひのえ)
丁 てい(火の弟=ひのと)
戊 ぼ(土の兄=つちのえ)
己 き(土の弟=つちのと)
庚 こう(金の兄=かのえ)
辛 しん(金の弟=かのと)
壬 じん(水の兄=みずのえ)
癸 き(水の弟=みずのと)
十干の「干」は木の幹が語源です。
この十干を五行
[木(き)]、[火(ひ)]、
[土(つち)]、[金(か)]、
[水(みず)]にあてはめ、
それに陽をあらわす兄(え)
と陰をあらわす弟(と)を順に組み合わせます。
この「十二支」と「十干」を組み合わせていくと、
次の表に示すような60種の組み合わせができます。
■ 月の異名
1月(正月): 孟春、王月、孟陬(もうそう)
2月 :春仲、如月、夾鐘(きょうしょう) 陰暦2月の異称。
3月 :季春、秒春、暮春
4月 :首夏、餘月、仲呂、
5月 :夏仲、蒲月、麦秋
6月 :晩夏、暑月、林鐘、
7月 :孟秋、初秋、瓜月
8月 :秋月、桂月、仲商
9月 :暮秋、秋抄、菊月、
10月 :孟冬、陽月、小春
11月 :仲跳、子月、黄鐘
12月 :季冬、晩冬、嘉平、
■ 日の異名 上旬 中旬 下旬
■ 節の異名
■誰がもにしたか
■何をもにしたか
作品で具体的にどのように落款をしるしているか
犀水先生の条幅作品でご覧ください
石橋 犀水(いしばし さいすい、)
日下部鳴鶴・西川萱南・比田井天来に師事し
戦後は財団法人日本書道教育学会を設立する
書道教育の確立に尽力し。
東京美術学校講師。
新潟大学書道科初代教授。
昭和を代表する書家であり、
書道教育の第一人者である。
服部北蓮 (はっとり-ほくれん)
1899-1986 昭和時代の書家。
明治32年4月3日生まれ。埼玉大,二松学舎大の教授を歴任。
埼玉県書道人連盟会長,埼玉県美術家協会副会長などをつとめた。
壬子(みずのえね、じんし)服部北蓮先生が1972年の
春日に揮毫されたのですね! この様に、
以上工事中 随時原稿を充実させます
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