東京西南ロータリクラブで6月7日スピーチをして来ました。
2016年06月24日
中本白洲の世界
-書を通じて社会貢献
株式会社日本吉技研究所代表取締役社長
中本 白洲氏
ロータリクラブ Weekle Reportに講話内容が紹介されまましたので
下記に紹介致します
★墨の磨り方を知らない
…–・–……・………………—・–…—…一・–………
私たちが小学生の頃は、「書道」といぅ科目
がありましたが、現在はそれを 「書写」とい
います。左に手本を置いて、右にただ書き写
す、かすれが出てもいけません、そっくりに
書きなさい、という指導が主になっています。
剣道、茶道、弓道、芸道など、日本文化に
おける 「道」には、道を究めるという深い意
味があるのですが、現在では 「書道」という
言葉すら消えてしまっているのです。
たとえば、書道教室に初めて体験学習で来
られた人に、硯と墨を渡して、「墨をすってく
ださい」と言うと、7割ぐらいの人が、墨の
すり方を知らないのです。ある中学生は、墨
を渡すと、「この黒いかたまりは何ですか?」
と聞くのです。小学校ではいま、硯はプラス
チック製です。墨汁を使うので、墨をする必
要がないからです。先日、あるアナウンサー
は、墨汁(ぼくじゆぅ)のことを「ぼくじる」
と言っていました。そういう時代なのです。
非常に悲しいことが起きています。
- 筆で書いた字を見たことがない
…-・-……・………………–・-…–…一・-………
皆さんはパソコンで文字を入力するときに、
MS明朝とかMS ゴシックという書体がある
のをご存じだと思います。その明朝体やゴシ
ック体を注意して見ると、横画(横棒)
が真横になっているのが分ります。
教室で子どもたちに、手本を渡して文字を
書かせると、必ず横画を真横に書きます。軽
く右上がりに書きなさいと何度言っても、真
横に書きます。彼らは活字の世界でしか生き
ていないし、学校の先生も黒板にちゃんとし
た字を書かないので、どうしてもそぅなって
しまうのです。
私たちの時代には、身の回りに手書きの文
字がたくさんありましたから、文字というの
はこう書くんだなと、目から学んで、自然と
覚えることができたのですが、今の子どもた
ちにはもぅ、そういう環境がありません。筆
で書いた字を見たことがないのです。ですか
ら、感性がすごく変わってきでいます。私が
所属する日本書道教育学会の会長は、「今の子
どもは、まるで外国人みたいだ」と言ってい
ます。そぅいう子どもたちが、20代、30代に”
なっているわけで、日本の将来を非常に危惧
しているところです。
★マイクロソフトのMS明朝体は日本のリコーが提供
……………………・…………・・…………・…-…
パソコンの文字は、第一水準と第二水準、
それに一部の外字が含まれて、全部で7,400
字ぐらいぁります。それを明朝体やゴシック
体にデザインして文字を作り、フオントとし
てパソコンに搭載しているわけです。
私が勤めていたリコーに村山さんというす
ごい技術者がいました。彼は、それまでドッドで
表現されていたパソコンの文字を、アウ
トラインフオントといって、数学の二次曲線
で解析して、カーブを描くような滑らかなフ
オントを開発したという世界的な人です。
現在、マイクロソフト社のWindows に標準搭載
されているフォントのMS 明朝やMSゴシックは、
実はリコーから提供 されたフオントなのです。
- 1年間で9万文字書いた
……–・-…・–……-・…-………・・・-・・………
…
パソコンで普通の文章を書く場合には、
7,400文字ぐらいで十分ですが、専門的な論文
などを書こぅとすると、それだけでは到底対
応できません。そのために東京大学で 「東大
明朝」といぅ7万字強の文字を作りました。
ですから活字ではあったのですが、それに対
応する筆文字がありませんでした。
その文字を筆で書くというコンぺが日本で
ありました。私がリコー時代に応募したら、
何万人の書道家の中から私が選ばれたのです。
私は会社勤めをしながら夜なべして、毎日
600文字書きました。1年間で9万文字書いた
のです。それが「今昔文宅鏡」(紀伊国屋書店)
に結実しています。
★書技能力アップのシステムを開発
…………………・…-…-・-………………………–“‥
今の日本人の書技能力がぁまりにも低下し
て、それを何とかしなくてはいけないという
気持ちが強くなってきました。
そこで私は、昨年Ⅰ年間で、美しい文字の
書き方、ワンポイント・レッスンの無料動画
を、ネットに400本アップしました。YouTube
で 「中本白洲」を検索すると、無料動画がた
くさん出てきます。それを見ると、ちやんと
した字が勉強できる仕組みになっています。
そのほかに 「美漢字ノート」といぅシステ
ムを作りました。これは7,400のどんな文字
でも、それをパソコンで入力すると、私が魂
を込めて書き上げたぺン字のお手本が出てく
る、といぅものです。組み合わせれば何万通
りのお手本ができます。これは有料なのです
が、この 「美漢字ノート」入会して、最
初にアクセスしてくれたのは、地球の裏側の
チリで日本語を学んでいる学生でした。
このように、皆さんの書技能力をアップす
るために、私はいろいろ頑張っているところ
です。
- 会長のお礼の言葉
中本先生、どうもありがとうございました。先生は子供
の頃に、お父さんから「字が汚い、」と言われて、発奮して
名書道家こなられたのですが、私は中学生のときに、
先生から「こんな金釘流の字を書くな」と言われ、それ以
来習字が大嫌いになって、いまだに字が汚いです。これ
を機会に、もう少し字を練習したいなと思いました。
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